国会の防衛議論への違和感、ウクライナの情勢について
| 防衛システム研究所(DSI) 第2回

国会論戦を観て我が国の危機を感じる。
田母神セブン 2023.02.04
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「田母神セブン」のメンバー「防衛システム研究所」は元陸上自衛隊中部方面総監の松島悠佐が代表を務める組織です。陸・海・空の退職自衛官を中心とした構成員で防衛、軍事等についての知見を活かした活動を行っています。

近年はYouTubeチャンネル「ベテランズLINK」の制作発信にも協力しています。

1.国家機密を晒すということ

2.ウクライナを他山の石に

3.今や中立は「悪」ではないのか

防衛力、特に継戦能力は「国家の個人情報」である

我が国の防衛政策、予算案について国会の予算委員会で審議されている。野党議員が当面の反撃能力に必要な「トマホークをいくつ調達するのか」という趣旨の質問をしている。マスコミも国民の知る権利について政府は説明すべき、という報道姿勢である。

民主主義国家の、ある意味、弱点でもあるが、国家防衛にかかわる予算の内訳を公開する必要があり、その趣旨、額などを議論し国会議員を通して国民の理解と支持を得る必要がある。

一方、我が国では個人情報の取扱いに極めてうるさい。個人の財産が、「どのくらいあるのか、証券か、現金か、金塊・宝石の類か」、「金庫に入っているのか銀行に預けているのか」、「それらは何時どのように使うつもりか」。こんなことを聞くものはあるまい。

国家も、国民の安全を守るために公開しない、してはいけないことがある。当然である。防衛力は国民の財産である。

国民の生命財産を守るために必要な、まさに「国家の個人情報」である。

出典:「国会議事堂と人々」bBear

出典:「国会議事堂と人々」bBear

与野党国会議員は直ちにウクライナに行き実情を把握するべきである

 G7各国の首脳がウクライナを訪問している。岸田総理をはじめ政府要人はウクライナを訪問していない。ウクライナでは我が国の隣国であるロシアの侵攻を受けて悲惨な状況が続いている。何の罪もない国民が殺され、ひどい苦難に遭っている。

 政府要人のみならず与野党国会議員は戦争の実態を身をもって確かめる必要があるのではないか。

 「専守防衛」がいかに国民の犠牲を伴うことか、国民避難の実態など国家の指導層として、戦争状態の国家運営について学ぶべきではなかろうか。

 激戦地バフムトでボランティア活動をしていた日本人が「もはや国家間の戦争ではなく、ウ

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  • 守るべきは「法」か「人間としての正義」か、マスコミの「中立姿勢」は正しいか

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