自衛隊員はどんなことに命を張っているのか? | 防衛システム研究所(DSI) 第1回
自衛隊では、個人としても、部隊(組織)としても「命を懸けて任務を遂行する」ということが求めらることが知られています。
現在、ウクライナでは戦時下ですので兵士や一般国民がそうした状況に接しています。
しかしながら、日本の自衛隊は具体的にどんなことに命を懸けて任務を遂行しているのか?について、具体的なことは一般の方々には想像しにくいかと思います。
そこで、今回は「田母神セブン」メンバーの一員である「防衛システム研究所」からのコーナー「防衛システム研究の裏話」第一回として、このことについてご説明できればと思います。
「田母神セブン」メンバーの一員、「防衛システム研究所」は元陸上自衛隊中部方面総監の松島悠佐が代表を勤める会社です。陸・海・空の退職自衛官を中心とした構成員で防衛、軍事等についての知見を活かした活動を行なっています。
近年はYouTubeチャンネル「ベテランズLINK」の発信にも協力しています。
「田母神セブン」のメンバーに加わるにあたり、検討の結果、以前から連載している「自衛隊おもしろ話」を改訂し、自衛隊の面白い話を知っていただくとともに、より多くの国民に「防衛」「軍事」などについて理解を深めていただけるような解説を加えることにいたしました。
よろしくお願いいたします。
1. 自衛官はどのような覚悟を持って入隊するか?宣誓の裏側
2. 命がけ任務1「不発弾」
3. 命がけ任務2「航空機のブレーキ温度測定」
4. 今後考えうる命がけ任務
自衛隊員はどんなことに命を張っているのか?
最近、自動車のドライブレコーダーが普及し、その画像で危険な走行や事故の様子が多数報道されています。一歩間違えば大惨事に巻き込まれている事態もあり、ヒャッとした経験を持つ方も多いと思います。また、飛行機に搭乗するとき「大丈夫かな?」と思う方もかなりいると思います。やはり着陸するとホッとするのは誰しも同じです。乗用車で高速道路を時速100キロで走行している時わずか数10センチ下がコンクリートであることを意識して運転している人はあまりいないと思います。偶然「あの時危なかったな」「一歩間違えればヤバかったな」と感じる経験は誰しもあるものです。
このように日頃意識していないことや、偶然起こることでなく、本当に危険なことを自ら意識して、事にあたるという経験をしたことがあるでしょうか。
自衛官は入隊時の宣誓で「ことに臨んでは危険を顧みず任務を遂行する」ことを誓います。しかしながら平時である現状で実際に「死ぬかもしれない」と思って事に当たる機会はめったにありません。
防衛大学校または一般の大学を卒業して自衛隊に入隊すると、陸・海・空各自衛隊の幹部候補生学校に入ります。入隊後1年で3等陸・海・空尉に任官します。幹部自衛官、昔でいうと青年将校になるわけです。自衛隊は階級社会ですので任官すると、年上でも階級の下の者は部下という扱いになります。幹部は率先垂範して事に当たることを教えられます。命をかけて任務を遂行した話を2つ。